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KABEの改修




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竣工年:2019年
用途:住宅
所在地:東京都青梅市
事業主:個人
設計・監理:許光範建築設計事務所
施工:桂工匠+藤原設計大工
構造規模:RC造9階建の6階
延床面積:68.58㎡
夫婦二人のためのマンションのリノベーション。河原沿いの立地で6階に位置するため、眺望の良い住戸であった。
先々の住み替えも視野に入れ、限られたご予算でのリノベーションとなったため、予算をどこまで合理的に使えるかが計画当初からの課題となった。
限られた予算を合理的に活用するために、まず解体工事に目をつけた。
解体工事は既存の間仕切り壁や天井・床を撤去し新たな間取りや仕上げを設置するための整地のようなものだが、既存の壁を解体撤去する際にはその壁と他の壁や天井とがぶつかる隅部も道連れになって解体される事になる。
さらに、それを何事もなかったように補修し新たな空間の下地とするのだが、この「何事もなかったように」する事にもそれなりの手間とお金がかかってしまう。
残らないものに予算を割くべきではないと考えたため、解体にあたって既存壁を少しだけ残す事とし、これにより隅部の解体で生じる道連れと補修を削減した。
また、残された小壁に切り込みを入れる等、既存壁の残し方をコントロールする事で、少しだけ残された壁が積極的に暮らしに参加してくるように計画した。
小さな棚のようにものが置かれたり、隙間に本や新聞を挟んだり、お風呂上がりにバスタオルを引っ掛けたりと、改修前の間取りから引き継がれた小壁が行為の新たな間取りと完全には一致しない形で行為のきっかけを与え、空間に豊かさを生んでいる不思議な住居となった。
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